People
はじめに
ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014実施時、障害のある人のアートの創作・鑑賞環境におけるアクセシビリティの課題を再認識し、それらを改善するための人材「アクセスコーディネーター(環境を整える人)」「アカンパニスト(伴奏者)」の開発とノウハウの研究に取り組んできました。今ではこれらの人材がより質の高い作品作りにつながっています。ヨコハマ・パラトリエンナーレ2017ではさらに、あらゆる人々が多彩な形で関わり、アクセシビリティや創作の輪を広げていきます。
アクセスコーディネーターとアカンパニスト
環境面、創作面、物理面、心理面…… 様々な側面から、障害のある人の創作活動をサポートするのが、アクセスコーディネーターと、アカンパニスト(伴奏者)です。
アクセスコーディネーター
情報をわかりやすく伝える
その人の状況をよく聞き、必要な情報を最適な手段で伝えます。チラシなどでは伝えきれない、きめこまかな情報を届けます。
創作の場までの不安を取り除く
バリアフリー情報を個別に提供したり、事前にその人の状況をヒアリングすることで、参加までの不安やストレスを最小限にします。
現場での体調や精神状態をチェックする
現場では様子をよく観察し、必要に応じてケアを行います。
アカンパニスト
困っていることを一緒に乗り越える
創作する中で起こる物理的・心理的な困難も、創作者という同じ立場で寄り添いながら乗り越える方法を一緒に探リます。
創造性を引き出し合う
本人が気づかない隠れた創造性を見つけ、引き出し合います。
パラトリ・アンバサダー
公募により選ばれた障害のある方が、ヨコハマ・パラトリエンナーレ 2017における 広報大使「パラトリ・アンバサダー」として活動を行います。ファシリテーターのライラ・カセムさんとともに、多様なメンバーで「コミュニケーション」について話し合いながら、世の中のバリアをとりのぞくことをめざします。
【アンバサダー活動内容】
生活の中でバリアフリーになっていないと感じるいろんな場面やエピソードをもちより、障害のある当事者としてアクセシビリティについて意見を出しながら、自分たちの声をどのように伝えるか、パーソナルにも社会的にも届ける方法をさぐります。アンバサダーによる会議を7月~8月に3回開催予定。10月7日~9日のパラトリ第2部では、パラトリ・アンバサダーによる発表の場を設けます。
ライラ・カセム(グラフィックデザイナー)
東京大学先端科学技術研究センター特任助教。東京都足立区の知的障害のある成人の通所型福祉施設「綾瀬ひまわり園」を中心に、アート指導をしながら、デザインの専門性を活かして、施設の支援スタッフとともに、利用者のアート作品をもとに社会参加と経済自立につながる持続可能なデザイン商品の制作・開発や企画に取り組んでいる。東京大学先端科学技術研究センターでは特化した興味や才能ある不登校傾向にある子どもをサポートする「異才発掘プロジェクト ROCKET」にも関わっている。
市民スタッフ
ヨコハマ・パラトリエンナーレは市民とともに作り上げる芸術祭。アーティストとの作品制作からアクセシビリティの補助まで、障害の有無を越えてあらゆる人が関わり、活躍できるフィールドがあります。
活動例:作品制作市民スタッフ/イベント補助スタッフ/当日運営スタッフ/アクセスコーディネーター候補生
随時市民スタッフの募集を行っております。募集の詳細はこちらから。