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ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020 × みなとみらい本町小学校 公開授業 @横浜市役所

09/10 Thu

去る8月24日(月)、ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020の開催概要発表と時を同じくして、コア会期のオフライン会場となる横浜市役所に、横浜市立みなとみらい本町小学校の児童を招き、総合ディレクターの栗栖良依が公開授業を行いました。

この日は、来年に延期が決定している東京2020パラリンピック開会式のちょうど1年前。まずは、栗栖ディレクターより、ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020のテーマが紹介されました。

この日にお披露目されたメインビジュアルには、アメリカ在住で視覚障害をもつ写真家ブルース・ホールさんが自閉症の息子を撮影した写真が使用されています

ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020開催テーマ「our curioCity 好奇心、解き放つ街へ」

このテーマについて、栗栖総合ディレクターはこう話します。

「新型コロナウィルスがきっかけになって、時代の価値観が大きく変わっていきそうな予感がある。みなそれぞれが持っている個性を、それぞれがしっかりと表現をして、違う個性の相手とクリエイティブに対話をしていくことでしか、生き延びていけない社会になってくる。ヨコハマ・パラトリエンナーレは2014年の第1回から、イマジネーションとクリエイティブの2つの「そうぞうりょく」を駆使して、共につくる「共創力」を高めましょうと言い続けています。いまこそその共創力が役立つ時が来ていると思います」

そして、子供たちの前に、この日に配信がスタートしたヨコハマ・パラトリエンナーレ2020公式YouTube番組「パラトリテレビ」のナビゲーター中嶋涼子さんと、オリジナルキャラクターのPちゃん(熊谷拓明さん)が登場! 子供たちの注目を集めました。

左がパペット操者の熊谷さん、Pちゃん、中央が車椅子インフルエンサーの中嶋涼子さん

メインコンテンツである、この「パラトリ テレビ」のほかにも、ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020は、「ブックプロジェクト」「サーカスアニメーション 」「パラトリ ラボ」の主に4つのプログラムを展開していきます。この日に全貌が公開された豪華なプログラムの情報を、いち早くみなとみらい本町小学校の子供たちに届けました。

*ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020の各プログラムについて、
詳しくはこちらのプレスリリースを御覧ください。

ヨコハマ・パラトリエンナーレのフェスティバルとしての特徴のひとつは、社会課題の発掘を目的のひとつとしていること。栗栖総合ディレクターが提示した、今年の課題はこちら。

「新しい生活様式のアクセシビリティ」

新型コロナウィルスの影響によって、障害のある人たちが家から出たり、イベントに参加することが、今まで以上に難しくなっています。特にインターネットに馴染みのない人は孤立してしまいがち。そんな社会状況から、栗栖ディレクターは、

「デジタルに馴染みのない人やインターネットを普段使わない人も、参加したくなる、できる、仕組みを、フェスティバルを通じて実験しながらつくっていきたい」

と、3度目のフェスティバルの抱負を語りました。

その後は、2017年のヨコハマ・パラトリエンナーレ で、夜の野外でのサーカス公演を追った、池田美都監督によるドキュメンタリー映画「sence of onness とけあうところ」を鑑賞。

ヨコハマ・パラトリエンナーレ2017 の様子を記録したアートドキュメンタリー映画「sense of oneness とけあうところ」を鑑賞

映画を鑑賞した小学生はこんな感想を話してくれました。

「車椅子を使うからこそできるパフォーマンスがいいなと思いました」

「パラトリエンナーレは差別とかではなくて、個性を活かした演技になっているのがいいと思いました」

食い入るように大型スクリーンの映像を鑑賞していた子供たちの心の中には、大人でも気が付けないような新鮮な「気づき」が、たくさん生まれてきていたようです。

最後に、栗栖総合ディレクターが子供たちに、映像中で活躍していた「アカンパニスト」になるのに必要なことってなんだと思う? と、投げかけました。

アカンパニストとは、「創作の可能性を一緒に広げる伴奏者。お互いの充実した創作体験や、最高の作品づくりを目指し活動に取り組むプロフェッショナル人材」です。

この難しい問いに、子供たちはこう応えました。

「みんなアカンパニストだと思う。誰かが誰かを必ず支えているし、支えられると思うから。」

「まわりの状況で何がもとめられているか、相手の気持ちを汲んで、まわりとのズレを埋めること。人の考えや気持ちを知るっていうことだと思います」

この言葉には、栗栖総合ディレクターも、「私が言おうと思っていたこと、全部いわれちゃった笑」と、子供たちの理解力に感服していました。

みなとみらい本町小学校の子供たちは、コア会期にも再び、この横浜市役所に招待する予定です。

「全人類アカンパニスト化計画!めざせ、だれかの伴奏者」をテーマに、みんなが暮らしやすい街について考えるイベント「パラトリ みらいサミット」で、サーカスアニメーション の出演者でもあるSLOW CIRCUS PROJECTのメンバーとみなとみらい本町小学校の子供たちが議論をするプログラムが予定されているのです。未来の主役となる子供たちが、ヨコハマ・パラトリエンナーレでの共創を、どう感じ、どんな未来を思い描くのか、楽しみにしていてください!

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