Exhibition

崎野真祐美・工房いなば・池田富士美×岩崎貴宏

崎野真祐美・工房いなば・池田富士美
×岩崎貴宏

障害者の手と心の動きの痕跡が印された布作品に、何気ない日用品から驚くほど小さくて精巧な作品を生み出すことを得意とする岩崎貴宏が介入し、そこからさまざまな世界観が共存する新しい風景を創り出す。

崎野真祐美のざき まゆみ

1978年 兵庫県生まれ。同地在住。1997年より「さをり工房ゆう」に所属。独自のテーマを持ちながら繊細な感性と大胆な色使いで勢いのある作品を表現する。日常の様々なことに興味を持ち、刺激を受けて作品化している。本作は、「タピストリー」をテーマに畳織りの技法を用いて制作。

工房いなば

「工房いばな」は、地域で生活する障がいを持つ人の日中活動の場として、11名の方が利用する工房。集団を意識しながら行動し、個々の特性を活かした創作活動をしている。一人ひとりがもつ感性が異なり、その日の気分に合わせた色選び、織り方をしている。

池田富士美いけだ ふじみ

1965年 神奈川県生まれ。神奈川県在住。花みずきに2011年5月入居。入居当時は日中活動として園芸業を行っていたが去年夏頃から機織りを開始。常に笑顔で、機織りでもその性格通り奔放な織り方が特徴。

岩崎貴宏いわさき たかひろ

1975年 広島県生まれ。同地在住。岩崎貴宏は、見慣れた日用品や既存の環境を解体し、思いもよらない形で再構築する作品を制作する。シャーペンの芯や、タオルやシャツから引き出した糸から、鉄塔や観覧車などの繊細なミニチュアの構造物を生み出す「アウト・オブ・ディスオーダー」は、岩崎の代表的な作品シリーズの一つである。これまでリヨン・ビエンナーレ(フランス、2009)、アジア太平洋トリエンナーレ(オーストラリア、2012)、アジアン・アート・ビエンナーレ(台湾、2013)など世界各地の主要な展覧会で発表している。

参考画像:岩崎貴宏 Out of Disorder (Coney Island) 2012
Courtesy of the artist and ARATANIURANO

SOUL FAMILY×真鍋大度+石橋素+照岡正樹+堤修一
SOUL FAMILY×真鍋大度+石橋素+照岡正樹+堤修一
SOUL FAMILY×真鍋大度+石橋素+照岡正樹+堤修一

music for the deaf

SOUL FAMILY×真鍋大度+石橋素+照岡正樹+堤修一

振動や超低周波などを使用して触覚と聴覚など異なる感覚がクロスするような作品を生み出す真鍋大度+石橋素+照岡正樹+堤修一が「目の見えない人のための映像と耳の聴こえない人のための音楽」の創作を目指す。この夏は、聴覚障害のダンサー SOUL FAMILYとの共同作業で、電気刺激デバイスを使った作品を発表する。

「music for the deaf」プレゼンテーション

聴覚障害のダンサー SOUL FAMILYが実際に電気刺激デバイスを使用したショートデモンストレーションを発表する他、真鍋大度、照岡正樹、SOUL FAMILY他によるトークショーを行います。

開催日時・会場8月13日(水) 20:00-21:30 [受付開始:19:30-]
参加費無料
定員80名
詳細http://www.paratriennale.net/2014/post-74/

SOUL FAMILYソウル・ファミリー

デフダンサー。全国で唯一聴覚障害者向けの国立大学・筑波技術大学のストリートダンスサークル「Soul Impression」から誕生したダンスチーム「SOUL FAMILY」。ストリートダンスの中でLOCK DANCEを中心にPOPやSOULなどの様々なDANCEで全国各地のダンスシーンで活躍する。

真鍋大度まなべ だいと

プログラマ/メディアアーティスト。 1976年生まれ。東京理科大学理学部数学科、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)卒業。身近な現象や素材を異なる目線で捉え直し、組み合わせることで作品を制作。高解像度、高臨場感といったリッチな表現を目指すのでなく、注意深く観察することにより発見できる現象、身体、プログラミング、コンピュータそのものが持つ本質的な面白さに着目している。

石橋素いしばし もとい

エンジニア/アーティスト。 1975年生まれ。東京工業大学制御システム工学科、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)卒業。在学中、当時発売されたばかりの加速度センサーADXL202を使い、画面を傾けて遊ぶ『G-Display』を纐纈大輝と発表。卒業後は、フリーランスとしてファッションブランドの店内インスタレーションやレセプションパーティーでのインタラクティブ装置を数多く制作。また、ショールームや科学館などの常設展示のインタラクティブシステムのデザイン・制作を行う。2008年、眞鍋大度と4nchor5la6を設立。デバイス制作を主軸に、数多くの広告プロジェクトやアート作品制作、ワークショップ、ミュージックビデオ制作など、精力的に活動行う。

照岡正樹てるおか まさき

学生時代からインスタレーション制作や、レーザー照明の開発をおこない、1998年にメディアアーティストの長嶋洋一氏らと芸術・技術系の同人「VPP」を結成。その後、さまざまなジャンルの共同制作、研究・開発をおこない、あるいはメディア系の作品制作の際の技術的なサポートをおこなう。触覚系全般、低周波空気振動、生体情報のセンシングを主軸に、生理心理学的側面から生体情報のアート表現への活用を模索している。

堤修一つつみ しゅういち

1978年生まれ。京都大学大学院にて信号処理を学び、NTTデータにて音声処理、キヤノンにて画像処理を専門として研究開発に従事。その後カヤックにてiOSアプリ開発者となり、フルスクラッチで30本以上のアプリを開発しリリースする。カンヌ国際広告祭やAppStore Best of 2012等受賞多数。書籍「iOSアプリ開発 達人のレシピ100」執筆。現在はフリーランス。BluetoothLEを用いて外部デバイスと連携するiOSアプリを多く手がけている。

参考画像:真鍋大度 / FaltyDL "Straight & Arrow"
Photo: Kazuaki Seki

目【め】

世界に溶ける:リサーチドキュメント

目【め】

今回は自閉症者や発達障害、知的障害のある方が放つクリエイティビティを知るためにそれらの障害について知る方へのヒアリングをおこない、その中から立ち上げた「世界に溶ける」というコンセプトのもとに、ヒアリングの記録や参考作品、そこからインスパイアされた目【め】による写真やドローイングなどを展開する。

目【め】

アーティスト荒神明香とwah documentらによって組織された現代芸術家チーム。2012年より活動を開始。鑑賞者の「目」を道連れに、未だ見ぬ世界へと直感的に鑑賞者の意識を誘う作品を構想する。瀬戸内国際芸術祭(2013)参加、個展に「状況の配列」(三菱地所アルティアム、福岡、2014)、「たよりない現実、この世界の在りか」(資生堂ギャラリー、東京、2014)など。

参考画像:目【め】 /FICTIONAL SCAPER (2013)

ANREALAGE+TASKO inc.+シバタテクノテキス

聴く服

ANREALAGE+TASKO inc.+シバタテクノテキス

音を奏でる特殊な糸でつくられた巨大なシャネルジャケットを発表し、視覚だけに頼らないファッションを提案する。服に耳をすますと、布から音楽が聞こえてくる。シャネルの創立者、ココ・シャネル(本名:ガブリエル・シャネル)が、1905年にお針子仕事の傍ら、歌手を志してキャバレーで働いていた頃、「Qui qu'a vu Coco dans le Trocadero(トロカデロでココを見たのはだれ)」というシャンソンを舞台で歌っていたことが、ココという愛称の由来とされている。本展示では、シャネルジャケットが、「Qui qu'a vu Coco dans le Trocadero」の曲に合わせて、ターンをしたり、左右に揺れたり、まるで踊っているかのように動きながら、歌を歌い続ける。

ANREALAGEアンリアレイジ

森永邦彦デザイナー

1980年 東京都生まれ、同地在住。2003年からファッションブランドANREALAGEを起ち上げ、活動開始。ブランド名はA REAL(日常)、UN REAL(非日常)、AGE(時代)、を組み合わせた造語。「神は細部に宿る」という信念のもとに作られた色鮮やかで細かいパッチワークや、人間の身体にとらわれない独創的なかたちの洋服を特徴とする。2005年、ニューヨークの新人デザイナーコンテスト「GEN ART2005」でアバンギャルド大賞を受賞。 2006年より東京コレクションに参加。2011年、第29回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。主な展覧会に「アンリアレイジ展 A REAL UN REAL AGE」(パルコミュージアム、東京、2012)、フィロソフィカル・ファッション2 : A COLORUN COLOR」(金沢21世紀美術館、2013)。

参考画像:Yoshiyuki Okuyama ( band )

Mikhail Karikis

ミハイル・カリキス(イギリス)

今年度は3年後の発表をみすえたリサーチのため来日。 9月中旬にプレゼンテーション・イベントを開催予定。

ミハイル・カリキス プレゼンテーション

ミハイル・カリキスによるショートパフォーマンスと、彼の過去作品についてのトークを行います。聞き手:難波祐子(ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014キュレーター)

* 17時より30分間は、コア期間を終えた「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014」について、総合ディレクターの栗栖良依のご紹介プレゼンテーションになります。

開催日時2014年9月14日(日) 17:00~18:30
会場象の鼻テラス
出演者ミハイル・カリキス(アーティスト)
難波祐子
(ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014キュレーター)
栗栖良依
(ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014総合ディレクター)
主催横浜ランデヴープロジェクト実行委員会
特定非営利活動法人スローレーベル
詳細http://www.paratriennale.net/2014/post-104/

Mikhail Karikisミハイル・カリキス

ギリシャ生まれ、ロンドンを拠点に活動。私たちの生活を形づくる集合意識が、音によってどのように形成されているかを探求する作品を発表。社会のメインストリームに属さず、支配的な文化政治的慣習に疑問を投げかけるような職業に就いている人々などを作品化している。参加した主な国際展に、第19回シドニービエンナーレ(2014)、あいちトリエンナーレ2013、第54回ヴェネチア・ビエンナーレ デンマーク館(イタリア、2011)など。最近の個展に、「不穏の子どもたち」(イタリア、2014)、「海女」(英国、2013)など。

Children of Unquiet, 2013-2014

ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014